本記事は、山﨑 拓巳氏の著書『やる気のスイッチ』(サンクチュアリ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

Wooden dummy looks at its reflection in the mirror
(画像=Gioia / stock.adobe.com)

「自分の幸福」に許可を出せるのは自分だけ。

セルフイメージを上げるということは、当然ですが、自己評価を上げることです。

そのためには過去の自分の成功体験に、もう一度スポットライトを当てることになります。

大きな成功をおさめるほど、成功体験について語る機会にめぐまれ、セルフイメージを上げることになります。

一流と言われる人たちが、さらに実績を重ねられる理由のひとつがそれです。

しかし普通に生きていれば、成功体験を語る機会などめったにないでしょう(後輩に無理やり話して聞かせようとするようなパワハラ上司を除いて)。

そこで思い出してみてください。

あなたの人生の中で特に誇らしかった出来事はなんでしょうか。

生まれてから今日までを振り返り、誇らしかった出来事を10個書き出し、その中からベスト3を選んでみます。

今の「自分」という存在は、職場、家庭、学校……などで作られたさまざまな価値観が刷り込まれています。

それぞれの価値観に照らし合わせてみると、それぞれの「誇らしい出来事」があったはずです。

それらをできるだけ再認識することによって、セルフイメージを適正な位置に近づけることができます。

セルフイメージをさらに上げるには、「自分をこれ以上にもこれ以下にも行かせない壁=メンタルブロック」を壊す必要があります。

メンタルブロックというのは「もちろんそうに決まってる」と信じ切っている、「自分の中にある常識」のことです。

その確固たる信念が「ただの壁かも?」と疑うことさえできれば、その壁はもうほとんど壊れたようなものです。

この壁の存在に簡単に気づく思考があります。

それは「絶対にうまくいくとしたら、自分はなにをしたいか?」という思考なのです。

たとえばこういうケースです。

「必ずうまくいくなら、あの人と付き合いたい」
「伝えてみたら?」
「無理だよ、俺イケメンじゃないし」

これがメンタルブロックです。

「必ずうまくいくなら、会社を立ち上げたいです」
「じゃあ、やってみたらいいじゃないですか」
「いや、私には絶対無理です」
「けっこういけると思いますけど」
「無理ですよ。人脈もないし、経験もないし、管理能力もないし」

……というのもメンタルブロックで、いずれも「自分にはふさわしくない」という思い込みです。

その思い込みが前提にあると、「実現しない理由」を周囲の現実から一生懸命探し出そうとします。

本当は理由なんてなんでもいいんです。

ひとつの理由がくつがえされたら、どうせまた次の理由を見つけてくるだけです。

自分以外の人間になろうとすると、元の位置に引き戻されてしまうのは、ただ単にメンタルブロックが邪魔しているからです。

邪魔している以上は、実現できないでしょう。

だから本気でやりたいと思ったら、まずメンタルブロックを消す必要があります。

どうやればいいかというと、言葉を使って消せばいいのです。

人間の脳内ではつねに「今日、仕事が終わったら、あれやって、これやって……」と言葉が紡がれています。

その中で「どうせ自分には無理だろう、なぜなら……」という言葉が出てきたら、 「私が◯◯することを許可する」という言葉をつなげてみてください。

「俺はあの人と付き合えるわけがない、なぜなら……、いや、俺があの人と付き合うことを、許可する」
「私が会社を立ち上げるなんて無謀……ではなくて、私が会社を立ち上げることを、許可する」

という具合です。

これだけでメンタルブロックが消えてしまいます。

もしあなたの能力に限界がないとしたら、これからなにをやってみたい?

その実現を許可できるのは、他ならぬ自分自身なのです。

やる気のスイッチ
山﨑 拓巳(やまざき・たくみ)
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。事業家。ビジネスコーチ。「コミュニケーション」「モチベーションアップ」「お金の教養」などをテーマにしたセミナーや勉強会を全国各地で開催し、高い人気を誇っている。
経営者としてニューヨークにラーメン店「タクメン」「タクサンド」を出店したり、アーティストとして国内外に絵画、Tシャツ、バッグを出展したり、映画出演を果たすなど多方面で活躍中。
主な著作に『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』『人生のプロジェクト』『気くばりのツボ』(サンクチュアリ出版)、『さりげなく人を動かすスゴイ!話し方』(かんき出版)などがあり、著作累計部数は200万部を超える。
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