本記事は、山﨑 拓巳氏の著書『やる気のスイッチ』(サンクチュアリ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

成功失敗イメージ
(画像=Na / stock.adobe.com)

毎回違う作戦を立てる。

あなたはこれまで生きてきた中で、いくつかのチャレンジをして、いくつかの結果を出して、認められてきたことでしょう。

それらの成功体験はすべて自信となり、生きる糧にもなっている。

成功体験こそが人生の宝だ。私は長年ずっとそう思っていました。

しかしあるときから考えを変えました。

島の旅館に泊まったとき、ゴミ箱にこんな貼り紙を見かけた瞬間から。

「燃えるゴミと、過去の成功体験はこちらへ」

人はひとたび成功すると、ついつい以前と同じ手順を踏みたくなります。

けれど、それは「成功体験がひとつの固定観念を作ってしまった結果」だとも言えます。

多かれ少なかれ、前回と今回のチャレンジとでは、条件、流れ、立ち位置、構成メンバー……など、いくつかの要素が変わるでしょう。

人々の価値観だってあっという間に変わる。

だから同じことをしていても、次またうまくいく保証なんてどこにもありません。

ある日突然、「前のやり方だとうまくいかなくなった」と気づいたときには遅いのです。

「うまくいく」のではなく「うまくいき続ける」ためには、

やり方はいつもゼロから考えて、緊張感をキープしたまま、次の仕事にのぞんだ方がいいのです。

それは楽ではありませんが、仕事をずっと楽しむコツでもあります。

好調なときは基本に戻る。

人はなぜスランプになるのでしょう?

調子が悪いからなるのではない。調子がいいからなるのです。

こんな話を聞いたことがあります。

野球の鉄則のひとつに「バッターは自分が苦手な球に手を出してはいけない」というものがあります。

優れたバッターはピッチャーとの駆け引きの中で、自分の打ちやすい球を粘り強く待つ。

追い込まれているならともかく、苦手な球を打つことはしません。

だけど好調が続いていると、ついつい苦手な球にも手を出してしまう。

好調なので、バットにしっかり当たるし、ヒットにもなる。

しかしそれが問題です。

自分が苦手な球に手を出すたびに、微妙にフォームが崩れてくるからです。

知らないうちに歯車が狂い、あるとき突然、まったく打てなくなってしまう。

あわてて元に戻そうにも、戻し方がわからない。

これがスランプの仕組みだと言います。

もし今あなたが、がんばっているのになかなか結果が出ないのだとしたら、ちょっと前までは絶好調だったかもしれません。そのとき調子に乗って、いい加減なやり方をしていたのかもしれません。

調子がいいときほど、自分のスタイルに忠実に、基本を大切にし、謙虚に過ごしてください。

好調はずっと続くものではありませんが、調子に乗らなければ、不調もずっと続くことはありません。

やる気のスイッチ!
山﨑 拓巳(やまざき・たくみ)
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。事業家。ビジネスコーチ。「コミュニケーション」「モチベーションアップ」「お金の教養」などをテーマにしたセミナーや勉強会を全国各地で開催し、高い人気を誇っている。
経営者としてニューヨークにラーメン店「タクメン」「タクサンド」を出店したり、アーティストとして国内外に絵画、Tシャツ、バッグを出展したり、映画出演を果たすなど多方面で活躍中。
主な著作に『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』『人生のプロジェクト』『気くばりのツボ』(サンクチュアリ出版)、『さりげなく人を動かすスゴイ!話し方』(かんき出版)などがあり、著作累計部数は200万部を超える。
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